壱岐は、博多から海上70余キロの玄海灘に位置し、その昔、大陸から日本への古代文化を中継する重要な島でした。 麦焼酎と言えば壱岐焼酎の代名詞となっています。いつ頃からつくられたかは定かではありませんが、壱岐焼酎はこの豊富な麦を原料として、約四百年前頃からつくられたと伝えられています。(室町時代からという説もある) 壱岐の麦焼酎は藩政時代から農民の自家用焼酎に発していると考えられています。 壱岐では大麦や裸麦が生産され、殊に大麦は年貢から除外されていたので主食としても余剰を生じていました。この余剰の大麦によって自家用の麦焼酎が伝統的に製造されました。また玄武岩層で長い年月をかけて磨かれた清洌な地下自然水が豊富なことも見逃せません。 焼酎は清酒に比して、晴れの場における飲み物ではありませんでしたが、日常の飲み物としては焼酎がもっとも愛用されています。肴には生豆腐、刺身、目刺し等が喜ばれます。季節的に需要のあるのは盂蘭盆の頃で、この頃飲まれる焼酎を盆焼酎と呼びます。農家では不時の来客があれば「ウスモノ」を一杯といって焼酎をすすめるのがひとつの儀礼のようになっています。 壱岐の場合、昭和50年以降生産量の拡大が計られ、長崎県内生産量のほぼ全量に近い生産量となっています。つまり、壱岐での生産量が同時に長崎県の本格焼酎の動向という状況になっています。 |
●明治36年(1903年)
明治36年(西暦1903年)7月6日に創業いたしました。
当時、壱岐郡田河村大字諸吉芦辺浦々町の酒屋の一倉子であった初代、伊豆倉太郎(いずくらたろう)が現在地、猿川川(さるこがわ)河畔へ移住、独立し、『しょうちゅう伊豆屋』として開業したのがその始まりです。
そののち、事業の拡大とともに穀物取引、醤油醸造等、島内業界で永く主導的地位を保ち、『猿川焼酎(さるこじょうちゅう)』の名は全島に轟き、この間九州酒醤油業界品評会に於ては「優等賞」の受賞が続きました。
●昭和11年(1936年)
初代の死去により長男、伊豆弥一郎(いずやいちろう)が二代目となります。
現在の早大商科卒后、父より習得した醸造技術をさらに磨き昭和の激動の時代を乗り越えていきました。
初代以上の事業実績を積み重ね、壱岐焼酎業界初の本格的島外移出、国鉄・鉄道弘済会ルートを開拓、北九州全域に販路をのばしました。
事業の拡大はもとより島内業界唯一の無借金経営は今も当場の経営基本策となっています。
●昭和36年(1961年)
二代目の死去に伴い、一子長男 伊豆 平(福岡大商学部卒)が 昭和42年(1967年)三代目を継ぐまでの6年間、その母の家業存続への苦労は枚挙にいとまないものであったといいます。
●昭和48年(1973年)
北九州三県をかわきりに本土への本格移出を開始。
●昭和59年秋(1984年)
従来の3倍規模なる造石体制を確立、各醸造行程を完全機械化し、新貯蔵庫も完成しました。
三代目着任以来40有余年島内業界も僅か7社となったが、幾多の荒波を超えてAクラスの造石量を維持し昭和63年度福岡国税局、局長杯を獲得。
これは県下でも初受賞、陽杯が初めて玄海灘を渡りました。
他県銘柄との熾烈な商戦に於てもいかに『壱岐焼酎』の特徴を維持し現代の消費者ニーズにマッチさせるかの命題を念頭に今日も鋭意努力に励んでいます。
●昭和48年(1973年)
全九州焼酎品評会 金賞。
●昭和53年(1978年)
全国品評会 上位酒の上に推挙さる。
「猿川のソバ焼酎」福岡国税局管内酒類鑑評会 優等賞受賞。
●昭和54年(1979年)
本格焼酎「猿川」福岡国税局管内酒類鑑評会 優等賞受賞。
●昭和55年(1980年)
本格焼酎「猿川」福岡国税局管内酒類鑑評会 優等賞連続受賞。
●昭和58年(1983年)
第7回全国本格焼酎鑑評会 麦焼酎部門「猿川」 最高位入賞。
●昭和63年(1988年)
本格焼酎「猿川」福岡国税局管内酒類鑑評会 麦焼酎部門 優等賞局長杯(県下初)を獲得。
●平成3年(1991年)
本格焼酎「猿川」福岡国税局管内酒類鑑評会 優等賞受賞。
●平成9年(1997年)
本格焼酎「猿川」及び本格焼酎「潮騒の詩」 福岡国税局管内酒類鑑評会に於て壱岐島より唯一場 同一酒造場、2銘柄同時優等賞に入賞。
●平成12年(2000年)
本格焼酎「猿川」福岡国税局管内酒類鑑評会 優等賞受賞。
●平成13年(2001年)
本格焼酎「猿川」及び本格焼酎「潮騒の詩」 福岡国税局管内酒類鑑評会に於て壱岐島より唯一場 同一酒造場、2銘柄同時優等賞に入賞。
本格焼酎「猿川」は2年連続優等賞。
●平成15年(2003年・春)(創業100周年)
本格焼酎「猿川」福岡国税局管内酒類鑑評会 優等賞に入賞。
●平成15年(2003年・秋)(創業100周年)
本格焼酎「猿川」福岡国税局管内酒類鑑評会 に於て壱岐島より唯一場 優等賞 春、秋 連続受賞。 今回の鑑評会は平成16年以降鑑評会が秋(年1回)に開催されることとなった為、その移行措置として本年2回目の開催となった。
●平成17年(2005年・秋)
本格焼酎「猿川」福岡国税局管内酒類鑑評会 優等賞に入賞。
●平成19年(2007年・秋)
本格焼酎「潮騒の詩」福岡国税局管内酒類鑑評会 優等賞に入賞。
●平成20年(2008年・秋)
本格焼酎「猿川」(長期貯蔵部門)福岡国税局管内酒類鑑評会 優等賞に入賞。
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